2019.7.24 特別レクチャー
東京造形大学 Zokei da Vinci Project関連で7/24 東京富士美術館の鴨木 年泰学芸係長をお招きし、絵画作品《タヴォラ・ドーリア》中心のレクチ ャーが行われました。 レオナルド・ダヴィンチの最高傑作となったかもしれない《アンギアーリ の戦い》の壁画を中心とした内容でした。
《タヴォラ・ドーリア》はその壁画の一部を絵画にした作品です。
何故、 歴史から姿を消していたのか、何故絵画の背景部分が削り取られたのか。 また、この作品は壁画のどの部分だったのか。そして、今回のプロジェク トでこの作品を、展示のための修復の作品として何故選ばないのか。藤井 准教授の鋭い質問もこの点についてでした。
池上教授のレクチャーにそのヒントがいくつかあったように思います。例えば「中心から描くのが彼の作風だった」との説明です。そうであれば、周囲は未完成の下絵があります。その下絵部分を削り取った可能性も、ないとは言い切れません。
今後の展開次第では、ジョルジョ・ヴァザーリの絵画に関連して、新しく なんらかの手ががりが発見されるかもしれません。現在も調査が進行中と言われています。不確定要素の多いこの傑作については、今回は再現を留保するかもしれません。 東京富士美術館での、鴨木さんの新しい試みの数々にも、驚きました。藤井さんは、最後に「これまでにない、新しいテーマが、展覧会をつくる上 で、とても大切である」と締めくくられました。