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2019.9.13 「現代のアーティストがレオナルドの絵画を立体化し たとき」対談と講義

913日 金曜日に、「現代のアーティストがレオナルドの絵画を立体化し たとき」をテーマに、講義と対談がありました。

講師は、井田大介+池上英洋+藤井匡(敬称略)の皆さんです。彫刻家の井田さんは、先に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチとアンギアーリ展」においてグループで絵画から立体を作成されました。これは東京造形大学の、ダ・ヴィンチプロジェクトにも大きく関係する作品でした。そこで、井田さんをお迎えし、その苦労された点を伺ったり、現代のアーティストとして美術史をどう捉え作品に活かしているのかを伺いました。

池上さんがまず、夢の実現展の進捗状況を紹介されました。 井田さんは、ご自身の故郷の村の歴史を掘り下げ、研究して作品にしたり、地獄の門の写真を集積して3Dに落とし込んだりするなど興味深いアプローチ をされる作家さんです。ジャン・ボードリヤールのハイパーリアルを、井 田さんが例えに出してくれた事例は、今までの何よりも理解ができました。

彫刻の特徴として、レイヤーがかけづらいことや、影を作らない(作るタイプの作家もいますが)ことがあるのを、初めて自覚しました。アンギアーリの絵画を立体化されるときに、奥行きがわからず、縦に立っている旗を基準にしたこと。馬四体を組み合わせることで初めて自立させるのがたいへんだったことなどをお話しされました。もともと絵画は、立体にすることを考えていません。絵画に現れるものは、虚でありそれが画面上で実を超えた実になるものですから、それを立体にすることは、大変な困難があると思いました。

「なぜあの絵画を立体にしたのですか?」という池上さんの問いには重みがありました。 藤井さんは、美術史については知識としてではなく、新しい捉え方、例え ば新しいテクノロジーと組み合わせてやってゆく、そういう付き合い方で 美術史をやってゆくことが大切ではないだろうかと言われました。 井田さんが学生時代にやっておくべきだったことは、英語、美術史だったそうです。

またの機会、東京造形大学にいらっしゃるのをお待ちしております。だんだん。(米子弁で有難うのことです。)

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